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青鬼神社参道から湧水地(桂の清水)を含めたその西側一帯にかけてスギが植林(20〜30年生)されているが、手入れがほとんどなされておらず、過密で暗い林相となっている。そのため、湧水脇のカツラの巨木も全容を眺めることが難しい状況になっている。(写真-3)
集落の北側、山腹斜面との境界にはコンクリート擁壁工事がなされている。

 

■水路
この地区の水田は山腹の段丘状の緩傾斜地に位置し、沢から遠いため水の便が悪く、その水源を青鬼沢上流部に求めている。最上部の水田からさらに1km程上流の青鬼沢に堰を設け、急な山腹斜面を等高線状に横断して用水路(通称『青鬼堰』)を設け引水している。この『青鬼堰』は万延元年(1860年)より4年の歳月をかけて完成されたもので、部分的には(157間分)急な岩盤をノミで削って水路を開削した場所もあり、祖先の偉業を現在に伝えるものとして貴重な存在である(写真-4)。但し、水路の補修箇所ではその材料としてコンクリート二次製品が使われており、全体の落ち着いた環境の中でやや浮いた存在となっている。
一方、一帯は成熟した落葉広葉樹林となっており、林床植物も豊富で途中に小規模の滝があるなど、水路の見学を兼ねた散策コースとしても優れた環境を呈している(写真-5)。
緩傾斜地まで下ると水路の本線は耕地の北側の山腹を流れ、青鬼神社の裏を通って集落の西側に至るが、途中でそれぞれ枝分かれして各水田に導かれたり、集落の中を巡っている。また、場所によっては水を水田に配分するための独特の形態の水路がみられる(写真-6)。
一方、集落近辺にも小規模ながら湧水が数カ所あり、主に生活用水として利用されてきた。その代表的なもの(桂の清水)が青鬼神社参道の西側にあり、カツラの巨木の根元から湧き出している。但

 

 

 

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